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前出のダニングクルーガー効果の原因には、メタ認知が大きく関わっているとされる。


メタ認知とは、自己の認知の在り方を認知することで、考える・感じる・認識する・記憶する・判断するといった自己の認知を客観的に捉える行為を指す。

自己の認知を客観的に捉え、自らコントロールし、冷静に判断して行動する能力がメタ認知能力であり、メタ認知能力が不足すると、ダニングクルーガー効果に陥りやすいと言われている。


メタ認知機能が不足する原因としてまず挙げられるのが、他者のフィードバックを受け付けないということ。

フィードバックを受ける機会が少なかったり、フィードバックを受け付けない態度が続いたりすると、認知に歪みが生じて自己評価のみが膨れ上がり、ダニングクルーガー効果に陥りやすくなる。

他責思考が強く、問題が生じた際に原因究明を怠り他者に責任を押し付ける行為は、自己を客観視する機会を奪い、自己評価への依存を引き起こす。結果として、自己評価が過剰に高いダニングクルーガー効果に陥ってしまう。


対策としては、フィードバックを受けられる環境を整えることが重要とされる。

他者から客観的な評価を受けることで、メタ認知が促進され認知の歪みが解消され、正しいフィードバックは知見を広げ、過大な自己評価への依存から脱却する効果があるとのこと。

目標や成果を数値化し、客観的に評価するのも有効な対策らしい。数値という客観的なデータは、絶対的な評価基準となるため、先入観や思い込みによって認知が歪むことも少なく、主観による評価ではなく、数値目標を設定して客観的に評価することが重要。また、多くの人と交流を持つことも、認知の歪みを防ぐ一定の効果が期待できるようだ。他者との交流を通しさまざまな価値観に触れることで、自身を客観的に捉え正しく自己評価できるようになるという。


一方、ダニングクルーガー効果の影響下では、たとえ過大評価だっとしても自信に満ち溢れているため、何事にも臆することなく挑戦できるというメリットも認められている。物おじしない発言や、積極的な行動も期待できる。しかし、困難に直面した際に対応できない、他責思考が強い、成長機会の機会が失われる、コミュニケーションに齟齬が生じる可能性がある、などダニングクルーガー効果のデメリットは、現代の若い世代の特徴を示している。



~ Le plus important est invisible ~

”大切なものは、目に見えない”



One sees clearly only with the heart. Anything essential is invisible to the eyes.

”心で見なければものごとはよく見えないってこと。大切なことは目に見えないんだよ。”


フランス作家、サン=テグジュペリが書いた「星の王子様」に登場する。




もう一つ

『芸術の本質は、見えるものをそのまま再現するのではなく、目に見えないものを見えるようにするものである。』

パウル・クレー(Paul Klee, 1879年12月18日 – 1940年6月29日)20世紀のスイスの画家、美術理論家。

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